VOICE
参加者の体験談
心の距離が近い国。デンマークで考えた自分の将来。

紅田明日香
社会人
フォルケフォイスコーレを体験し、自分のキャリアを見つめ直す。
ーなぜ今回のプログラムに参加したのですか?
社会人になり、キャリアについてずっと悩んでいました。いまこのままの状態でいいのか分からず、自分の目標のため転職もしてきましたが、答えが出ずにいました。
そんな中で、多様性のなかで相手とどう向き合い、自分とどう向き合うのか、ということをもう一度捉え直し、違いを個性として前向きに捉えられるようになることが必要だと思いました。
そこで、デンマークの「フォルケホイスコーレ」を体験したいと考え、今回応募しました。
自分を受け止めてくれる人との、あたたかな繋がり
ー実際に渡航してみて印象に残ったことはありますか?
初めて来た場所なのにすごく居心地が良い場所がたくさんあったことです。
フォルケホイスコーレの学校やヒューマンライブラリー、LGBTQ+の高齢者施設などを訪れ、先々で自分らしく生きる人たちと出会い交流する中で、何かのものさしで測れることもなく、ただ「あなた」という存在が大事で、「どうしたいのか」が大事ということを気づくことができました。
どこにいっても肯定的に受け止めてもらえたことが本当に嬉しかったです。人とのあたたかな繋がり。何よりもこのプログラムを通して体験できて良かったことでした。
「みんな人類」という空気感
ーこのプログラムでは、どのような意識を持って行動していましたか?
プログラム中は「今できることを」という意識を強く持っていました。
実際に、渡航前は人付き合いは「狭く深く」と考えることが多かったのですが、プログラム中は「浅くてもいいから色んな人と話そう」と意識していました。実際にプログラムのメンバーとも現地の方とも多く交流することができたと思っています。ただ、同時に、言語の壁もあり、正直もっと英語が理解できたらこの輪に入れたのに…と思うことが多々あり、悔しい思いもしました。
また、「浅くてもいいから色んな人と話そう」という意識ができたのは、デンマークに来てから、人との心の距離がすごく近いなと感じたことも大きいと思います。
性別や年齢、国籍などは関係なく、「みんな人類」という空気感を感じました。また、その空気感も押し付けられることなく伝わってきて、本当に余計なことは考えずに話せばいいんだと思えました。
例えば、お散歩する犬はリードなくとも飼い主さんについていきますし、電車も一緒に乗ります。電車では、そんなお散歩中の方やベビーカーなどを持ち込む人も乗りやすいように、乗り口や車内は広く設計されていました。
他にも、子ども同士がお友達になった時には、そのまま親同士も会話に混ざったり気軽に話していました。街中で見える一つ一つの景色や人々の行動から、この国の「過ごしやすさ」が感じられました。
ーその「過ごしやすさ」はどこから生み出されるものなのでしょうか?
幼少期からの教育の成果だと思います。デンマークでは自主性を重んじる授業が多く、多くの学生も多言語を学び世界と関わろうとする意識が非常に高かったです。
そのため、デンマークの「過ごしやすさ」は国民が幼少期からこういった文化の中で教育を受けることで醸成されると感じました。どうすれば日本に取り入れられるのかについてはまだ分かりませんが、自分自身が誰かと関わるときにそういった意識のもと接したいと思うようになりました。
ーこの経験を経て、帰国後に努力したいことを教えてください。
まず、英語をもっと話せるようになりたいです。自分が興味関心を持ったことを、言語を理由に諦めることがないようにしたいです。また、何かを選択するときの基準を面白そうか、そうじゃないかで選びたいと思います。面白そうなことを選び、仕事も含め、自分が心躍る瞬間を多く過ごしたいです。
ー最後に、読者にメッセージをお願いします。
私がプログラム全体を通じて感じたことは、何においても自分がどう感じるか、どう思うかということを大事にすることです。そして、いろんな正解があっていいということです。デンマークは街も人も本当に綺麗で良くて、「ここで育ってみたかった」と思わせてくれる、そんな場所でした。ぜひ皆さんも最高の環境で自分の思いに正直になってみてください!